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死亡による逸失利益:主婦・子供・学生の場合

死亡による逸失利益:主婦・子供・学生の場合

 交通事故により死亡した場合の逸失利益は、給与所得者と事業所得者以外の人は賃金センサスの平均賃金を基礎にして算出します。

主婦などの家事従事者や、事故に遭った時に収入のない子供や学生、現在は無職の人なども全て原則として賃金センサスの平均賃金を用いる事になります。

賃金センサス(賃金構造基本統計調査-平成25年)-政府統計
賃金センサスを基に計算する:無職・専業主婦・未就労者

給与所得者と事業所得者以外の人の逸失利益

主婦など家事従事者の場合

賃金センサスの一覧表は、年齢別に分類されて記載され、その全年令の平均も同時に算出されて記載されています。家事従事者が賃金センサスの平均賃金を適用する場合は、該当年令の「年令別平均」か「全年令平均」のうちで、本人にとって有利になる方を選択します。

また、パートなどで収入がある場合は、パート収入と賃金センサスの平均賃金を比較して、多い方を本人の収入の基礎として使う事ができます。

子供や学生の場合

事故に遭った時に、収入のなかった子供や学生の場合も、原則として賃金センサスの平均賃金を用います。

18歳未満の場合
賃金センサスの全年令平均賃金または18歳~19際の平均賃金にライプニッツ係数または新ホフマン係数を掛けて逸失利益を算出します。
大学生または大学や短大に進学する人の場合
賃金センサスの短大卒または大学卒の平均賃金を基礎にして計算しますが、被害者が医大生や看護学校の生徒の場合で、医者や看護士となる可能性が高ければ、その業種の平均賃金を基礎とする事もあります。

無職者の場合

無職であっても、働く能力があり同時に働く意思をもっていれば、賃金センサスの平均賃金を基にして計算します。

また、68歳以上の人の場合、働く意思があれば逸失利益は認められますが、このようなケースでは、大幅に減額される可能性もあります。たとえば、賃金センサスの65歳の平均賃金の半分程度しか認められない場合もあります。

逸失利益算出の具体例(家事従事者の場合:主婦)

専業主婦の人を例にして計算してみます。なお、専業主婦なのでパートなどの収入は無いと仮定します。

「具体例」

  • 職業:専業主婦
  • 家族:夫・子供1人
  • 年収:0円
  • 年令:50歳

この人の逸失利益を算出するためには、最初に年収を計算しなくてはいけません。

この人は働いていないため収入はありませんが、主婦の場合も賃金センサスの平均賃金を適用する事になっているので、年令と性別を基に賃金センサスから平均賃金を求めます。

賃金センサスの平均賃金を適用する場合は、該当年令の「年令別平均」か「全年令平均」のうちで、本人にとって有利になる方を選択できる事になっています。

50歳の主婦の場合なら、50歳女性の平均賃金=385.84万円(年収)、女性の平均賃金=355.9万円(年収)となっているので、この人にとって有利な「50歳女性の平均賃金」を基礎として逸失利益を計算する事になります。

また、就労可能年数とライプニッツ係数表から、50歳の人のライプニッツ係数を参照します。表では、50歳の人のライプニッツ係数=11.274となっていますので、この数字が中間利息控除係数(ライプニッツ係数)となります。

最後に、生活費控除率ですが、女性の場合は30%~40%となっているので、ここでは30%で算出してみます。

逸失利益の計算式は以下のようになっていますので、この式に各値を当てはめて計算します。

死亡による逸失利益=被害者の年収×(1-生活費控除率)×
  就労可能年数に対応する中間利息係数
※ 中間利息係数はライプニッツ係数または新ホフマン係数

385.84万円×(1-0.3)×11.274=3,038万4,092円

この人の死亡による逸失利益は「3,038万4,092円」と計算する事ができます。

※ 中間利息係数にはライプニッツ係数と新ホフマン係数がありますが、一般的に多く使用されている「ライプニッツ係数」で計算しています。

参考)
就労可能年数とライプニッツ係数
死亡による逸失利益の計算方法

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